戦争とはどんなものか

戦争とはどんなものか

(戦争について知っておくべきこと 米国従軍記者クリス・ヘッジスより)

まえがき

戦争は縄張り争い、富の追及で必要悪とはいえ、最後の手段だ。戦争は悲惨だ。戦争を恐れなければならない。

基礎知識

1.War(戦争)とは、1,000人以上の命が奪われる紛争をいう。

2.世界が平和だった年は8%(268年/3,400年)しかない。

3.軍隊の兵数 ①中国240万人②アメリカ140万人③北朝鮮100万人④ロシア90万人

4.民間人の死亡率 80%程度、兵士は20%程度

軍隊

1.米国軍組織 最高司令官は大統領、国防総省(陸軍省、海軍省<海兵隊>、空軍省)、参謀本部

2.米軍に入る理由 1/3が教育費を得るため、1/3が職業訓練を受けるため

3.平均的新兵は21歳(18歳以上34歳未満)、高卒、8割が独身

4.軍の訓練は、訓練と規律により、戦闘に参加して、人を殺すのが容易になること

5.新兵の給料は24,000ドル/年、中程度の軍人の給料33,000ドル。

戦場

1.戦闘中の給料は、月150ドル(15.000円)割増、無税

2.売春婦の斡旋はアメリカ軍兵士がやっている。日本、韓国、ベトナム、タイに大規模なセックス産業が出来上がった。

3.戦時にアルコールは、まず飲めない。戦闘に役立たない。無用だ。

4.喫煙者は30%、アルコール大量摂取者は15%、ドラッグは6%(禁固刑がある)

5.睡眠は食料、水と同じ貴重な資源だ。連続4時間以上とる。戦闘は夜中も多い。

6.歩兵は1/5が死傷する。歩兵以外は1/50が死傷する。精神的な傷を負う確率は、湾岸戦争で20%(1/5)であった。

負傷

1.被弾する時、手足の貫通は無難。脳、肺、肝臓、腎臓、動脈の被弾は最悪だ

2.負傷部位は足40%、手25%、頭顎15%(死亡の40%)、胸・腹各10%。

3.負傷した場合、死ぬ確率は1/5.

4.武器はライフル、砲弾、地雷、手りゅう弾、焼夷弾など

5.負傷 砲撃65%、小火器25%、地雷5%

6.アメリカ軍のライフルはM-1 6、敵はAK-47

7.銃による損害。1/3死亡、1/3戦場から搬出(永久除隊)、1/3戦場再復帰

大量破壊兵器

1.大量破壊兵器とは、核兵器、生物兵器、化学兵器

2.核兵器を受けたら、遮蔽物(山の陰、溝)に隠れる

3.生物兵器とは、細菌(たんそ菌など)、ウイルス菌(天然痘など)、毒(リシンなど)

4.化学兵器への防御は、防護マスクと防護服。テロは化学兵器(サリンなど)の可能性大

戦争体験

1.戦闘は、脳が戦うか逃げるかシステムを作動、脈拍が70から200へ、血流が増し、力と速度が向上する。

2.戦闘の準備は食事、水、休養と武器の手入れ

3.不安を感じた恐怖の肉体反応は、吐く、大小便を漏らす。能力、意欲には影響なし

4.部隊の仲間と親密になる。力を合わせて生き延びる。絆は強まる。

5.下士官が上官を殺すことはある。無鉄砲、無能の為。高級将校は死ぬ事は少ない。

6.戦闘ストレスは異常行動を引き起こす。深呼吸、筋肉をほぐす、前向きな思考をする。

7.戦闘による精神障害は3人に1人。25日の戦闘を経ると、感情と肉体のストレスが、戦闘員の余力を超える。60日(2ヶ月)の戦闘では98%が精神負傷者になる。

捕虜

1.情報を聞き出すため、拷問をうける。98%が何でも言う。あまり信用できない。

1.戦死の原因は失血死が多い。60Kgの人は30Lの出血があると心臓が止まる。血液不足で酸素の供給が絶たれ、脳が機能しなくなる。

2.戦闘中に死ぬものの多くが、母親の名前を呼ぶ。

終戦後

1.ベトナム帰還兵の1/5が20年後も悪夢をみる。精神障害、肉体不健康になる。