政治ー2 憲法改正
(バカが多いには理由がある 橘 玲より)
私たちはなぜ憲法を押し付けられたのでしょうか?それは、大日本帝国が無謀な戦争に突入して、、無残な敗戦を喫し、広島・長崎に原爆を落とされた上、侵略と植民地主義の責任を、戦勝国から問いかけられたからです。それは、日本国に対し、300万人の自国民の戦死者だけでなく、2000万人のアジアの死者への罪を問うものでありました。押し付け憲法は、不都合な歴史を不断に突きつけてくるものでありました。現憲法は「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」を定めた9条が、戦勝国であるアメリカが、敗戦国である日本に科した懲罰規定であることは明白です。ナチスドイツを生んだ反省から、敗戦国を植民地化したり、過酷な賠償を取り立てることが抑制されました。そのかわり、平和主義の美名のもとに、二度と戦争を起こされないよう、戦力を剥奪する罰が、加えられたのです。ところが、その後、中国の共産化と朝鮮戦争により、日本の再軍備を促す方向になりました。しかし、当時の日本は、敗戦の痛手・反省から、国民の大多数が平和憲法を支持しており、9条改正や再軍備を言い出せる状況ではありませんでした。そこで、軍隊でありながら、軍法を持たない奇妙な自衛隊組織になりました。
戦前の歴史を振り返ってみると、破滅へ至る最大の原因が、軍の統帥権(最高指揮権)を内閣から切り離し、天皇の下においたことであるのは明らかです。だからこそ、軍は「統帥権の独立」を建前に、内閣の決定を無視し、各自の権益を追求して、泥沼の戦争に突き進んだのです。そのような歴史の反省を踏まえて、戦後日本の最大の課題は、軍という巨大な暴力装置を、厳重なシビリアンコントロールの下に置くこと以外にありません。それは、軍を国土と市民を守るための組織として、憲法に規定し、その権限と活動の範囲を法によって定め、内閣の決定に服属させることです。これは文民統制のごく当たり前の定義です。今、日本は軍を統制する民主的な手続きが欠落しており、有事の際に、自衛隊の行動を規定する法律が整備されていません。これは極めて危険なことといえます。ところが、日本のリベラルは、軍の民主的な統制と言う重大な課題から目をそむけてきました。戦後70年、安倍政権は、この点を主張しはじめました。
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