為替
(為替占領 岩本沙弓 より)
為替は江戸時代末の黒船以来、アメリカドルとの関係が深い。明治初め、円は金本位制で1ドル=1円だった。2次大戦前の1941年は1ドル=4円だった。戦後、ブレストンウッズ体制で、1949年マッカーサーのGHQは、100分の1位の1ドル=360円の固定相場制になった。1971年ニクソンショックで、ドルは金本位制でなくなり、フロート(変動相場制)になった。その後、だらだらと円高ドル安になった。1985年プラザ合意で240円から1ドル=120円になった。
その後、1995年1ドル=80円になったこともあったが、現状の為替レートはプラザ合意時点の水準と同じ120円である。
フロートになった1971年8月15日以来、アメリカの赤字を為替レートの調整で減らすという、日本の為替占領が始まった。アメリカの大量消費があればこその日本の経済成長、圧倒的なアメリカの政治力・軍事力の前では、アメリカの要求を鵜呑みにするしかなかったのだ。
有事のスイス ありとあらゆる金融危機の際に、為替市場で最も選考される通貨はスイス・フランである。1990年以降の金融危機では、スイス・フランの動きが危機に先行して高くなった。為替で予告されていたのだ。スイス・フランの動きは時々確認しておく価値はある。現在はスイスフランが113円フラン/ドルで若干ドルから移ってきたが、2015年は123フランレベルだったので、大きな動きではない。一方、円ドル相場は、円高ドル安に動いている。株価もダウ平均高、日経平均安の動きになっている。昨年11月のトランプ大統領の影響が大きいと考えられる。今年はこの傾向か。
岩本さんは、ディーラー時代、1月から12月の1年サイクルで相場展開を考えていた。年間シナリオは、季節要因をベースにして、今年のテーマ、経済・政治トピックを盛り込んで考えていた。
季節要因は、1月:欧米企業の会計年度がスタート。米国は株高、ドル高。2月:中国の政策金利変更などある。3月:日本の会計年度終了で、外貨資産処分で円高の場合もある。4月:日本の会計年度シタート。海外投資が活発化、円売り、他通貨買い。5月:米株高、ドル高。日本の年金の投資で円売り。6-7月:相場一服。8月:ドル安のスタート地点となることが多い。9月:ドル安、株価も下落を始める。10月ヘッジファンド1年の持ち高を調整。ドル安・株安。11月:ファンドの利食い、ドル売り。後半からクリスマスまで長期休暇になる。12月:閑散。クリスマス前後の取引はない。12月28日から活発化。
春は日本の他通貨買いで円安ドル高、秋は円高ドル安。暮れ正月、お盆、ゴールデンウイークは動きやすいので、損をしないよう気をつける。ダウ平均安はドル安、ダウ平均高はドル高になる。
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