通貨発行益(シニョレッジ) その2

通貨発行益(シニョレッジ) その2

日本国の借入金残高は1,100兆円(内国債は800兆円)ある。

うち約400兆円(約5割、GDPの8割)の国債は、利子を払う、返済する必要がなくなった!(マネーの魔術史 野口悠紀男)

2013年4月(4年前)から、日本銀行は年50兆~80兆円のペースで、民間銀行から国債を購入した(4年間で260兆円)。16年末で、日銀の国債保有残高は、約400兆円になった。この日銀保有残高について、国の償還金額や国の支払った国債の利子は、日本国が50%以上株式を持っている日銀の利益になり、国庫に納付される。つまり、国の負担にならないのだ。これだけの国債が消滅したと言っていいのだ。国の債務の形態は、国債という形から、日銀当座預金という形に変わった。

当座預金は払い戻し要求できるが、払い戻しは日銀券を発行すれば返却できるのだ。日銀券は、日銀の負債ではあるが、返却する必要がないし、利払いもない。債務は残っているが、返却する必要はない。つまり、国債の貨幣化が行なわれたのだ。当座預金が日銀券に変われば、マネーストック(M1)は700兆円+400兆円になり、インフレになる。しかし、日銀は返却を求める必要がないから、日銀券を出す必要がない。

これを、通貨発行益(シニョレッジ)という。年月をかけ、徐々にやれば、インフレにならないで、できる。2016年は80兆円ペースで、日銀は国債を買い入れていたが、トランプ大統領の登場で、円高に戻す必要が出てきて、2017年は年20兆円ペース(1/4)の買入れに戻った。