老後の標準モデル
物事を理解する時、標準モデルを知ることは、大変理解しやすい。
前ブログと同じく橘玲と泉正人の本から引用する。
1.平均的65歳の総資産
会社を定年退職した平均的な65歳の団塊世代日本人の資産ポートフォリオ(中央値)は、金融資産1,500万円、厚生年金資産3,000万円(月額16万円を20年間、長期金利2%で割り戻す)、不動産2,000万円、合計6,500万円である。これを見ると、金融資産がとても少ないことが分かる。これでは、金融投資などできず、変動に備えるため、安全な普通預金で持つ戦略しかないことが分かる。結局、サラリーマンは、終身雇用制度の人的資本の1億3,000万円しかなかったのである。それを年々すりへらし、退職金で金融資産を得るという図式である。
2.サラリーマンリタイヤ後の必要生活費
2007年調査によると、必要最低限で300万円/年・25万円/月、ゆとりある生活で500万円/年・40万円/月という結果がでている。次にリタイア後の収入は、多くの人は年金収入のみに頼ることになる。年金は厚生省のモデル世帯年金受取額が、夫婦2人で280万円/年・23万円/月である。不足する額は、貯金または個人年金で備えるしかない。これからの若い人の年金は、減ってゆく可能性が高く、老後への備蓄金の必要額が大きくなると考えられる。しかし、節約による貯蓄額には限度があると考えられる。
3.今後の道
サラリーマンは、人的資本から、月給を得て生活してきたのだから、老年になっても、働くしか道がないと言える。一方、老年の生活費のかからない工夫も必要になるが、これにも限度がある。家族・一族による助け合いがあれば、望ましい。
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