ミリオネアの住むリッチスタン
(橘玲 賢者の海外投資術より)
ミリオネアになるには、そう難しくない。なぜなら、お金を使わなければ、資産は貯まるからだ。1070年代、アメリカのスタンリー教授が億万長者の調査をした。その結果、収入の15%を貯蓄したものは、億万長者になっていた。アメリカの金持ちはとても質素である。
1億円(100万ドル)以上の金融資産を持つ富裕層は、2015年でアメリカ700万世帯、中国360万世帯、日本110万世帯であった。
100万ドル(1億円)以上の金融資産を持つアメリカ人を、リッチスタンの住人(700万人)という。
住人は3つの階層に分けられる。
1.ロウアー・リッチスタン 純資産100万ドル(1億円)~1,000万ドルの600万世帯。企業幹部、医師、弁護士、銀行員、デザイナー、アナリスト、資産運用者などの高学歴専門職者からなる。資産の半分以上を給与所得から、3分の1を投資利益から得ている。もちろん、コツコツ貯金した質素な老人住民も多い。
2、ミドル・リッチスタン 純資産1,000万ドル(10億円)~1億ドルの100万世帯。高所得専門職、起業家、企業オーナーである。
3.アッパー・リッチスタン 純資産1億ドル(100億円)以上の数千世帯。純資産10億ドル(1,000億円)以上の資産を持つ世帯はビリオンネアと言い500世帯。自力でのし上がってきた人が90%以上。相続者は10%以下である。
ビリオンネアは、1990年以降のグローバリゼーションの波に乗ったものが多い。アメリカで見ると、
①IT系ビリオンネア マイクロフォフト、アマゾン、グーグル、フェースブック、オラクルなど
②大企業創業者ビリオンネア コーク商社財閥、ウオルマートなど
③金融投資家 バフェット、ソロスなど
自社株高騰が寄与したケースが多い。情熱、努力、責任感が3大特徴。
1990年、冷戦が終了し、世界市場が誕生すると、製造や事務作業が、新興国にアウトソーシングされ、高度な知識を必要とされる専門職の給与が上昇した。情報技術発展、金融市場活性化・ボーダレス化により、新規事業が出現したのだ。その結果、格差社会が出現した。
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