禅
禅の本尊は釈迦牟尼仏である。
山門から入り、禅庭を見る。仏殿に入り、釈迦牟尼仏を拝む。そして、釈迦牟尼仏が、座禅によって、悟り(空を知る)を開いた、座禅という実践を通して、悟りを開いたという「座禅による悟り」を、禅は目指す。
禅は西暦500年頃、インド・西域から達磨禅師が、中国梁に伝えた。1200年頃、中国南宋に学んだ栄西が臨済宗を伝え、道元が曹洞宗を伝えた。臨済宗は市囲の中で、会話をしながら、悟りを得る、曹洞宗は山中で、座禅の中で、悟りを得ようとした。後、江戸時代、明から臨済宗中国僧の隠元が念仏禅を伝え、黄檗宗をおこした。日本の禅宗は現在この3つある。指導法が違うが、悟りを得る目的は同じである。
日本における禅宗の業績は、鎌倉時代に南宋から1246年、来日した蘭渓道隆、引き継いだ無学祖元にある。禅の自力本願、実践主義が武士のあり方に適っていた。1274年文永の役、1281年弘安の役の元寇があった。祖元は北条時宗に「莫煩悩」の書を与えた。国難に際して、時宗のこころを支えたのは、禅の悟りであった。
次の14世紀に後醍醐天皇と足利尊氏から帰依され、臨済宗五山の本流を生んだ夢窓疎石がいる。疎石は西芳寺の作庭で禅的空間をつくり、深い影響を与えた。夢窓国師が創建した多治見虎渓山永保寺の庭は、国の名勝に指定されている。
禅は日本文化の主流をなした。精進料理、茶道、華道、香道、武士道、剣道、柔道、弓道、禅画、清潔清掃など、日本の庶民の生活習慣、和の文化に深く影響を与えた。
アメリカにも進出している。サンフランシスコに禅センター、ニューヨーク・マンハッタン・ソーホーにヴィレッジ禅堂があり、座禅、経文唱和、ヨガクラスなどがある。こころの統御、ソーシャルワーク活動などを行っている。
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