江戸の医者(針灸漢方)の職養道(開院の心得)その4
その4 職養道とは
佐藤六龍が職養道という言葉を知ったのは、橘哲州という五術家(運命、占い、手・家相、針灸漢方、精神・肉体鍛錬法)からでした。江戸時代に年季明けで独立してゆく職人(医師、針灸師など)に、師や親方が授けた職業上の心得を集大成したものです。易者五条は-仁(みんなに平等にやさしく)、義(客とのつながりを大事に)、礼(服装や持物は客と同等に、1点か2点は高級なものに)、智(技術・作法を習得する、さらに自分独自ものを編み出す)、信(自己の信用を築く)でした。これらの言葉は自身を規制するものでありました。職養道は、職を養う道、客を取り、金を稼ぐためのビジネスのやり方を教えたものです。職養術と呼んだほうがピッタリのワザである。医者や易者といった、まず口先で相手を納得させなければならない職業人の心得でした。教えの多くは自分をアピールすることでした。どうすれば、自分を信用させれるのかというところに重点があります。
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