江戸秘伝 職養道その3

江戸の医者(針灸漢方)の職養道(開院の心得)その3

その3 独立開業の必殺技

職養道第15 地元の人に可愛がられるべし

まず地元での評判を得ることが大切である。楊枝の一本、紙の一枚でも地元で買うということです。地元の人とお付き合いがあれば、紹介の1つもしてくれるかもしれません。昼食は地元の食べ物屋で外食を勧めています。床屋さん、美容院も地元をすすめています。地元の情報、助け合いが得られます。

職養道16 仕事の成否は段取り次第

「人の見かけ」が重要です。「きびきびした動作と言葉の印象」です。見かけを演出するための小道具は是非用意したい。小型のノートパソコン、ちょっとしたタイミングを見計らって、確認するそぶりをみせると、さすがプロとばかり、相手の態度も変わるというものです。

職養道17 天にかなう陽気を心がけよ

私が来たからには大丈夫。自分自信がなければ何も伝わりません。口上師(くじょうし)といわれるタンカを切って物を売る人がいます。客の質問に答えながら、この客は買う買わないを直感で判断します。

江戸の職業人も経験からくる情報と、いつもアンテナを張り巡らして情報収集して判断していました。

職養道18 言葉は身のすべてを表す

職養道は自由な精神が横溢した仕事の指南です。江戸時代においても、上下差別のない考えがあります。目下も年下もさんづけでよんでいました。言葉で人格や教養がわかります。

職養道19 勤勉だけでは数字は上がらない

江戸の職業人は自分の感性でとらえた技術を持ち、それを社会に問うていた。自分流にしてゆくことが、大事だった。独立したら,師も弟子もなく、すべてがライバル。食うか食われるかのサバイバルの死闘だったのです。

職養道20 明日を思うな、今日を生きろ

あなただけに会いに来た。会うということは、一期一会、’’縁’’です。一番不思議なことは、人間の出会いで起こります。出会いに、一所懸命の心で生きることが、明日への飛躍につながる。

職養道21 客をあつめてこその職養道である

抜群の集客力を誇る針灸師がいます。治療効果が高いから人が来るのだと思わせるように考えた。特殊な治療機器を設置して、患者は自由に低料金(15分で100円)使えるようにしました。患者は気楽に立ち寄ります。毎日くると、機器だけでは、物足りなくなり、針灸治療も頼むようになる。