人間いたるところ青山あり

人間いたるところ青山あり

人間、どこにでも、行って、大いに活躍すべしということ。

旅立つ人に向かって、「人間いたるところ青山あり、だよ」と励ましたりもする。

         この場合、「どこにでも、自分の力を発揮する、働き場所はある」という意味です。

<出典>幕末の真宗の僧・釈 月性 -尊王攘夷を唱える- の漢詩

(将に東遊せんとして壁に題す)

 男児志を立てて郷関を出づれば          学もし成らずんば死すとも還らじ

 骨を埋むる所なんぞ墳墓の地のみならんや   人間いたるところ青山あり

生まれ故郷は、懐かしい。特に父母や当時の人たちが懐かしい。1つの場所や家に長く住むと愛着が湧く。しかし、思い出以外の価値はない。

現代は地理上の距離は大変短くなった。私の生まれは八王子だが、リニア新幹線が出来ると、多治見-八王子間は30分になる。現在、多治見-東京間はJR新幹線で2時間30分だ。東京ロンドン間が、飛行機で12時間だ。生まれた所をそんなに気にする時代でなくなった。

昔は移動に時間がかかった。現代人がアフリカを出たのが、10万年前。8万年前、アジア到着、4万年前ヨーロッパ入植、3万年前アメリカ入植、2万年前最終氷河期終了、1万年前新石器・農耕時代始まる。人類がたどった移動にかけた長い距離、長い時間を考えると、日本国内の墳墓の地など極めて小さい問題に思われる。