心と心理学の知識

1.感情は脳と深く関係している

(1)脳

①感情は大脳辺縁系と関係している

②(その中の)海馬=記憶・学習

③扁桃体=情動学習の中枢

④前頭連合野=行動

(2)感情

①恐怖 人間が最初に感じた感情。本能的に自分の身を守ろうとする働き。人に強い緊張を与える。ネガティブな感情としてとらえられるが、このネガティブな感情こそ、人間の命を守るために必要な感情なのです。

②しかし、極端な恐怖や不安の感情に支配され、生活に支障をきたす人も出てくる。ストレスの原因。

2.心理学の歴史

①古代ギリシアのアリストテレスの「霊魂論」が、世界で最初の心理学書と考えられている。

②1879年、ドイツのヴィルヘルム・ベントは心理実験室を開設し、実験心理学の父と呼ばれている。

意識の構成要素を実験により分析した。「構成主義心理学」と呼ばれる。

③ほぼ同時代に、アメリカのウイリアム・ジェームスなどで、プラグマティズムの哲学を背景に「機能主義心理学」も発展しました。意識を、環境に対して適応する行動を導く、手段と考えた。

④現代心理学への発展 「構成主義」を批判した。行動を重視する「行動主義心理学」、構成より全体を重視する「ゲシュタルト(全体)心理学」、無意識を重視する「精神分析」が出てきた。

⑤1960年代以降は、情報処理過程に焦点を当てた「認知心理学」が、主流の1つになってきた。

3.現代心理学の代表3学派

①「認知心理学」 人の認知の仕方・過程が、どうのようなものかを研究。

②「人間性心理学」 個人の独自性・成長に注目した心理学。「来談者中心療法」を開発した。

③「新行動主義心理学」 目に見えない心の問題を、目に見える行動で研究。S(刺激)-O(欲求)-R(反応)理論。SとRはワトソンが探究、Oはハルが唱えた。O(欲求)の強弱でRに差が出るとした。

4.海外の3つの有名な心理療法

①フロイトの「精神分析」 無意識の中にある「隠された欲求」を重視した。

②ユングの「分析心理学」 人間を分類する「性格タイプ論」。内向、外向、思考、感情、直感、感覚。

③ロジャーズの「来談者中心療法」 心理療法の目的=個人のパーソナリティの成長。人間には本来自然な成長能力がある。非指示を特徴とする「来談者中心療法」を提唱した。カウンセラーは、受容・共感の態度、来談者を自己一致(あるべき自分・あるがままの自分)に導く心理療法。

5.日本の心理療法

①「森田療法」 1920年頃、神経症の患者対象。生への欲求、不安のあるがままの受入れ、を目指す。治療は絶対臥褥(横臥)期、軽作業期、重作業期、退院準備期の4期に別れ、治療する。

②「吉本内観法」 1940年頃、「集中内観」(部屋に1週間こもり、してもらったこと、返したこと、迷惑をかけたことを自己調査する)と「日常内観」(毎日一定時間、内観する)。刑務所など矯正教育に導入。

 

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コメント: 1
  • #1

    ビーナス (月曜日, 22 2月 2016 05:38)

    目に見えない心の問題を
    目に見える行動で察していく。
    内向的か
    外向的か
    感情的か
    性格でも
    悩みは変わる。
    常に受容・共感の態度で接し
    あるがままの自分に導いていく。